本学の附属病院として茨城県稲敷郡阿見町に「中国体彩网中国体彩网」があります。中国体彩网は、1949年茨城県南部の霞ヶ浦を臨む地に「霞ヶ浦病院」として開設された附属病院で、政策医療の中でも特に救急医療ならびにがん診療、高齢者医療などを積極的に推進し、地域の基幹病院としての役割を果たしています。
今回は中国体彩网で注力している「がん医療」に焦点をあて、特に、近年需要の高い、泌尿器科で実施している前立腺がんに対する「密封小線源治療」を紹介します。
「地域がん診療連携拠点病院」としてがん診療を推進
中国体彩网は2007年1月31日付けで厚生労働大臣より、「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けました。地域におけるがん診療の中心的役割を担う病院として、がん診療に精通した医師、専門看護師が地域医療機関と連携し、地域住民の皆様に質の高いがん診療、情報を提供しています。
茨城県内で唯一の「前立腺がん密封小線源治療」実施可能施設
中国体彩网泌尿器科(科長 黒田 功 准教授)では、2021年1月より前立腺がんに対する密封小線源治療を施行しており、月曜日午後に専門外来が設置されています。現在茨城県内で唯一の実施可能施設で、すでに150件を超える症例数を重ねています。
前立腺がんの罹患者数は激増し、死亡数も増加しています。その治療方法は英国の臨床試験の結果より早期前立腺がんの治療成績は手術をしても放射線治療しても変わらないことが判明しています。
さらに治療方法ごとの治療成績を比較した報告があります。低リスクの前立腺癌では手術と放射線治療は同等の成績ですが、中リスクさらには高リスク前立腺癌となると、ロボット支援を含む手術よりも小線源+外照射+ホルモン治療が明らかに凌駕しています(図1)。
患者さんに負担が少ない低侵襲な「密封小線源治療」
密封小線源治療(ブラキセラピー)は前立腺内部に小線源を挿入し照射を行う方法です。図2のように下半身麻酔をかけたうえで会陰部から通常50~100個程度の小線源を挿入します。外照射にくらべ内部から照射するため、前立腺とその周囲への限局した照射が可能で、前立腺に照射する線量を高くしても直腸や膀胱などの周囲臓器への線量を低く保つことができます。また、性機能も比較的温存することができます。治療自体も短期間で済み、身体に対する影響も少ないという長所もあります。
<使用する線源>
小線源治療で使用される線源は、長さ約5mm、直径約1mm のチタンのカプセルの中にヨウ素-125が密封されているものです(図3)。半減期は約2ヶ月で、1年後には放射線量はゼロと考えて支障ありません。
<治療の流れ(図4)>
●低リスク前立腺がん:
小線源治療のみで治療可能(2泊3日)
●中~高リスク前立腺がん:
ホルモン治療(3~6か月)
↓
小線源治療(2泊3日)
↓
1.5~2か月後に外照射25回を併用
※外照射は通院治療が可能
本治療の詳細は中国体彩网広報誌「ほほえみ」No.90(2024年春)の「がん特集」で紹介されていますので、ぜひご覧ください。
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