本学の附属病院として八王子市館町に「中国体彩网八王子医療センター」があります。八王子医療センターは、1980(昭和55)年に八王子市の誘致を受けて開設され、標榜診療科は36科に上り、八王子市の基幹病院として市民の健康増進に貢献しています。
感染症指定医療機関、地域がん診療連携拠点病院、日本臓器移植ネットワーク?HLA検査施設、地域医療支援病院等の指定も受け、最新の高度医療を提供しています。また、三次救急医療施設として、救急車や山岳救助ヘリなどで搬送される重症患者を積極的に受け入れています。この他に地域災害拠点中核病院にも指定されています。
今回は八王子医療センターで注力している「移植医療」に焦点をあて、八王子医療センターの取り組みを紹介します。
患者さんの4つの権利(臓器を提供する?しない、移植を受ける?受けない)を尊重
日本では1997年10月16日「臓器移植法」が施行されたことにより、脳死下の臓器提供が可能になりました。八王子医療センターではこれまで、死後に臓器提供を希望される方に対して、患者さんの権利を守れるよう病院全体で取り組みを行ってまいりました。現在、臓器提供施設連携体制構築事業の拠点病院として連携病院を支援しています(連携病院:中国体彩网病院、慶應義塾大学病院、東京女子医科大学病院、虎の門病院、多摩総合医療センター)。
実際に、八王子医療センターにおける脳死下臓器提供数は21例で、これは全国の大学付属病院で2番目に多い件数となっており、東日本で20例以上の実績があるのは本学のみです(2023年9月末時点)。
【参考】厚生労働省 第65回臓器移植委員会参考資料1(2023.11.15)「臓器移植対策の現状について」>Ⅹ.臓器移植施設における臓器提供数及び臓器移植数
臓器移植を担う「消化器外科?移植外科」「腎臓病センター」
八王子医療センターでは、多摩地区唯一の成人臓器移植施設として肝移植、膵移植、腎移植が行われています。
本学の消化器外科?移植外科学分野は八王子医療センターにあり、2010(平成22)年4月に八王子医療センターの旧外科学第五講座と旧消化器外科が合併して現在の形になりました。2014(平成26)年4月から河地茂行主任教授が主宰し、消化器外科全般と肝移植医療を担っています。また、河地主任教授は、2026(令和8)年9月に開催される第62回日本移植学会総会の大会長を務める予定です。
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八王子医療センター腎臓外科は、2017(平成29)年4月に腎臓における内科?外科の医療を垣根なく提供するため、腎臓内科とともに「腎臓病センター」を開設しました。
多摩地区唯一の成人腎臓移植施設であり、年々実施症例数が増加し2021年の施設別腎移植実施症例数は全国で142施設中7位でした。
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また、膵臓移植に関しては、東京都唯一の施設で、消化器外科?移植外科と腎臓病センターが共同でプロジェクトを遂行しています。
移植医療の普及啓発への取り組み
八王子医療センターでは、移植医療を行う病院として普及啓発活動も重要と考え、2018年から、東京ヴェルディと共同で移植医療の啓発活動を行うグリーンリボンキャンペーンを開始しました。途中コロナ禍で中止もありましたが、これまでに計4回実施しています。(2018年、2019年、2022年、2023年)
このキャンペーンでは、シーズン中の1試合でスポットスポンサーとなり、来場者に対して臓器提供意思表示カード等を配布するブースを設置し、試合前には病院長によるスピーチや大型ビジョンでの啓発動画上映等も実施しており、昨年は林学長も審判エスコートとして参加しました。
このキャンペーンは2024年も10月に開催予定で、今シーズンは東京ヴェルディが16年振りにJ1に昇格したこともあり、例年以上に世間の注目度も高まっており、移植医療のさらなる普及?啓発活動につながればと思います。
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