2023年3月24日、第53回日本心臓血管外科学会学術集会において、本学医学総合研究所 分子細胞治療研究部門の栗山直也兼任助教が優秀賞(末梢血管領域)に選出され、各領域による優秀演題の中から「臨床部門最優秀賞」に選ばれました。
■受賞演題名:
「下肢閉塞性動脈疾患における細胞外小胞由来miRNAのバイオマーカーとしての可能性」
「The probability of miRNA derived from Extracellular Vesicles as potential biomarkers for patients with lower extremity artery disease」
■受賞者コメント:
下肢抹消動脈疾患(LEAD)は多様化する動脈硬化性疾患の一つの表現系であり、多様化する背景疾患を一元的に把握してその予後を予測することが非常に難しい疾患です。
加えて、LEAD患者さんは他の動脈疾患(冠動脈疾患や、脳血管疾患)を高確率で合併することが知られており、医療費の増大などが懸念されています。
今回、LEAD患者さんの細胞外小胞由来のmiRNAを解析することによって、miRNAがLEAD患者さんに対する新たな予後予測因子や、動脈硬化性病変の重複性となるバイオマーカーとなる可能性がわかりました。特に、包括的高度慢性下肢虚血(Chronic limb-threatening ischemia)のバイオマーカーはその予後予測につながる可能性が示唆されました。この研究によって、LEAD患者さんの治療方針の決定や、医療費の削減などが見込める可能性が考えられます。
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