2021/07/08
研究活動

東京医科?学医学総合研究所低侵襲医療開発総合センターの杉本昌弘教授が参画する研究チームが、唾液中のがんマーカーをわずか1分で測定する技術を開発-唾液検査で大腸がん患者を高精度かつ大規模に診断することが可能に-

 このたび、本学医学総合研究所低侵襲医療開発総合センターの杉本昌弘教授が参画する共同研究チームは、キャピラリー電気泳動-質量分析計(CE-MS)を用いた多検体同時測定技術を開発し、唾液中のがんマーカーであるポリアミン類を1分で測定することを実現しました。ポリアミン類は、大腸がん、膵臓がんなどのがん患者の唾液や尿で急激に増加することが知られていましたが、既存の方法では1検体の測定に10分以上必要でした。

 今回研究グループが開発したCE-MSを用いた多検体同時測定技術は、一度に40検体の唾液を40分(1検体につきわずか1分)で測定することを可能にしました。また、本学の杉本教授らが採取した唾液検体のポリアミン測定に本法を応用した結果、大腸がん患者と非がん患者を高い精度で区別することができました。

 本法は、これまで困難であった低分子マーカーの迅速かつ高精度な測定を実現し、臨床への更なる応用を可能にする技術であります。

 この研究成果は、2021年7月5日(日本時間)に分析化学誌『Journal of Chromatography A』電子版に掲載されました。


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