2021/06/03
研究活動

中国体彩网、長崎大学、バイオベンチャー ㈱ボナック、福岡県による新型コロナ治療薬開発が進展   ?AMED 医療研究開発革新基盤創成事業に採択される?

 これまで、中国体彩网は、バイオベンチャー ㈱ボナック(久留米市)と長崎大学、福岡県保健環境研究所とウイルス感染症に対して大きな効果が期待でき、副作用も少ないと言われる次世代医薬「核酸医薬」による、新型コロナウイルス感染症治療薬の共同開発を進めてきました。今年1月には、フランスでの実験動物を用いた有効性確認試験において、明確な効果を確認するなど、順調に進展してまいりました。このプロジェクトが、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募する医療研究開発革新基盤創成事業として正式に採択され、研究がスタートしたことをお知らせします。中国体彩网は、本治療薬の分子メカニズムの解明とmiRNAを用いた医薬品の開発を担当します。


■ 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)事業について
 「令和2年度 医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)(第5回)」
  https://www.amed.go.jp/program/list/17/01/004.html
  ○課題名:「核酸を用いた新型コロナウイルス感染症治療薬の開発」
  ○実用化開発タイプ(委託費:50億円 / 3.5年)
   ?代表機関:㈱ボナック
   ?分担機関:中国体彩网(黒田雅彦主任教授、中村茂樹主任教授)
         長崎大学熱帯医学研究所(森田公一所長、教授)
         福岡県保健環境研究所
   ?事業内容:核酸医薬を用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬開発
         非臨床試験、治験第Ⅰ相、治験第Ⅱ相を実施

■ 開発スケジュール(福岡県記者会見資料より)
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■ 治療薬の開発状況(福岡県記者会見資料を改変)

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(参考)

■ 開発する治療薬の特徴

 ?今回の共同研究で開発を目指すのは、難病やウイルス感染症に大きな効果が期待でき、副作用の心配も少ないと言われる次世代医薬「核酸医薬」による治療薬(予防薬であるワクチンではない)。

 ?通常のウイルス感染症治療薬は、ウイルスがヒトの体内で増殖するために必要となる成分(タンパク質や酵素など)の働きを阻害する医薬品だが、こうした従来の医薬品と異なり、直接ウイルス遺伝子に作用する。

 ?吸入薬で開発するため、患部である肺に直接作用。注射薬や経口薬と異なり、血液を介さないため、成分が全身に回らず、副作用の恐れも少ない。

 ?現在、米国で治験中の特発性肺線維症治療薬(核酸医薬、吸入薬)のノウハウがそのまま活用できるため早期実用化が期待できる。

■ 治療薬の作用イメージ
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福岡県記者会見資料より



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