本学の学費についての考え方
学生ならびに保護者の皆様へ
平素より本学の教育研究活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
2020年早々からCOVID-19が世界中で猛威を振るい、我が国でも、特に東京を中心に再び感染が拡大し、先の見えない状況が続いております。このような中で学生生活に不安や困難を感じている学生も多いと思います。
こうした状況を背景として、本学の学費についてお問合せがありましたので、本学の学費についての考え方、ならびに学生支援の取り組みについてお伝えいたします。
本学は、医療系の大学であり、臨床実習などで患者さんと接する機会も多いことから、「感染しない、させない」よう、学生?教職員の健康管理を第一に考えると同時に、学習環境を整え、学修到達目標を達成することを優先した取組みを行っております。
感染拡大により4月にキャンパスを閉鎖し、現在も一部入構制限を続けておりますが、そのような状況の中で、速やかにすべての講義を「e自主自学」を通じたオンライン?オンデマンド講義に切り替えました。本学では、数年前から学内のICT環境を整備し、「e自主自学」を充実させてきたこともあり、速やかに在宅で講義を受講できる体制を構築することができました。また、通信状況が悪く受講環境を十分に確保できない学生には、登校しての受講も可能とする体制を整えました。学生アンケートでは、オンライン?オンデマンドの講義が非常に好評であり、with コロナの時代に向けて、より充実した学修方法の1つとなると考えております。
実習?演習につきましても、可能な限り、十分な配慮のもとで実施し、実施できない部分は、それに替わりうる新たなオンライン教材を用意したり、医学科ではZoomを用いた双方向性型のオンラインクルズスを通じて、できるだけ実習と同等の学修成果を身につけられるよう配慮しています。
一方で、学生への精神面でのサポートにも配慮しております。クラス担任や相談教員、健康サポートセンターの教職員などによって、ひとりひとりの学生の生活や心身の健康状態、オンライン?オンデマンド講義の進捗状況などについて把握し、多角的にサポートできる体制をととのえておりますので、いつでも気軽に相談してください。
また、本学ではCOVID-19に対応し、公的機関からの補助に加え、家計急変の方に向けた緊急学生奨学金、アルバイト収入の減少に対応する緊急学生支援金の貸与を行っており、また授業料納付期限の延長も柔軟に対応できますので、困っている皆さんは遠慮なくお申し出ください。
これらのことをふまえ、本学の学費についての考え方をお伝えします。
本学の学費は年度ごとに納めていただくことになっております。医学科は6年間、看護学科は4年間に所定の単位を履修することで学士号を取得できます。修士課程は2年、博士課程は4年で学位を取得できるよう制度設計されております。何よりも大切なのは、学生が所定の在学期間で学び、卒業?修了し、社会に出て貢献することです。学費は在学期間全体の費用を等分して納めていただいているものです。また、授業料のほか、教育充実費や施設設備費は、全ての学生に充実した教育を提供し、研究活動を実施できるようにするための費用であり、図書館資料の充実や体育館など、皆さんが普段使っている施設設備についても、長期的視野に立った整備計画により取得?維持?更新を継続することも含まれています。実習費も単年度の実費のみではなく、シミュレーション教育の充実や実習機器の計画的な整備も含めてのものです。
本学は100年以上の歴史の中で、人々の健康を守るために、そして豊かな社会を築くために活躍できる人材の育成に努め、現在の大学の環境は、これまでの卒業生達が学費の負担と学修の努力により長い時間をかけて築いてきたものです。こうした大学の基盤を未来につなげていくために、皆さんに納めていただいた学費は大切に計画的に使わせていただくこととしております。
COVID-19は、私たちのこれまでの価値観や社会習慣を変え、世界は大きく変わろうとしています。その中で、「自主自学」の精神を忘れることなく、皆さんと一緒にこの難関を乗り切り、よりよい大学を、そして未来を作っていきたいと思います。ご協力の程、どうぞよろしくお願いいたします。
2020年8月4日
中国体彩网学長
林 由起子