中国体彩网は、平成25年度に文部科学省?私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に選定された「生体分子情報による次世代型がん個別最適化治療法の開発:事業番号S1311016」(平成25年度?平成29年度)において、がん撲滅を目的として、分子病理学分野、血液内科学分野をはじめとする臨床各科および医学総合研究所が連携し、研究を展開してきました。その研究成果について平成30年1月26日(金)に中国体彩网病院内の教育研究棟(自主自学館)3階大教室で最終成果報告会を開催しました。
■本事業の研究成果総括
鈴木衞学長による開会挨拶の後、本事業のプロジェクト長である医学総合研究所(分子腫瘍研究部門)の大屋敷純子教授より研究成果の総括として、主要論文104編の総インパクトファクター336.4、特許出願5件、その他大学院指導実績およびプレスリリースの状況が報告されました。
■研究成果報告
【先端基礎研究の成果概要】
先端基礎研究成果として分子病理学分野の黒田雅彦主任教授より「人工知能を用いた癌の予後システムの開発」、医学総合研究所(免疫制御研究部門)の善本隆之教授より「IL-27による造血系の制御による抗腫瘍効果の増強」の報告があり、がん診断における新しい取り組みや、免疫学的アプローチの新局面について活発な討議がなされました。
【臨床への応用】
中間報告時の課題であった次世代シーケンス技術の臨床応用について血液内科学分野の片桐誠一朗助教および眼科学分野の臼井嘉彦講師より報告があり、本補助事業により設置された次世代シーケンサーが若手研究者によって活用されている点が外部評価の先生方からも高く評価されました。また、産科婦人科学分野の高見澤重篤助教から本事業の主軸であった「miRNA診断」の代表としてその成果が報告されました。
【産学連携研究への発展】
医学総合研究所(分子腫瘍研究部門)?血液内科学分野の梅津知宏講師より「がん環境におけるMesenchymal Stromal Cell(MSC)の役割」についてmiRNA診断からバイオロジーへ研究を発展させた結果、MSCが分泌する細胞外小胞体を利用したがん治療の開発に繋がり、産学連携研究へと発展していった一連の成果について報告されました。
■プロジェクト長:医学総合研究所 大屋敷 純子 教授のコメント
本事業では折り返し点で大幅に軌道修正し、人工知能などの新しいアプローチを試みたことで、出口とともに次のシーズを見つけることができました。これらの成果は本学における研究推進の基盤強化に繋がったものと確信しております。
本事業の推進にあたり多大なるご支援をいただきました文部科学省、中国体彩网関係者各位に深謝いたします。
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